Resized to 53% of original (view original)
Artist's commentary
冬の化身
冬が来た。いつまでも変わらない悠久の時の中。静かに降る雪の中に一人の男が立っていた。
「ここは…どこなんだ…。」 ■「へっちゃら~ いつか湖だって凍りつくから~ へっちゃら~」 もう春が来そうな陽気な声とともに一つの影が男に近づいた。「うおわっ!誰だお前!」 その声に振り向いた男は驚愕した。一見、人間のように見えたそれには 羽が生えていた。 「き、君は…!?」「あたいはチルノ!氷の妖精。それはともかく、質問に質問で返すのは感心しないねえ?人間。」 氷精がほほ笑んだ。 「いつまでチルノはあんな人間と関わるつもりかしら…。」「別にいいじゃありませんか。外の人間とは言え害はないようですし。」 紅魔館の門の前で二人(二匹というべきか)の妖怪が妖怪らしからぬ世間話を交わしていた。どうやらチルノの前に現れた人間は外の世界から迷い込んだらしい。それをチルノが興味本位で引きとめたそうだ。「関心…しないわね。少しは成長したのかと思ったら…これだもの。」門番が眉をひそめた。「何が気に入らないんですか?あの子は彼に危害を加えようとした妖怪から彼を護っています。立派に成長しているじゃないですか!」「あなた…何様なのかしら?」彼女は続けた。「あなたは私たちの能力を理解していない。あなたは私たちの気持ちを理解していない。そうよ…解る筈がないもの…。」そして彼女は歩き出した。「彼を外の世界へ連れて行くわ。文句は言わせない。」強い怒気を込めた言葉で無い。冷酷さでもない。ただ深い悲しみが感じられた。「ねえ門番…私達と人間は……」 風が彼女の言葉を攫っていった。■時間がなくてキャプションが手抜きにorz■デイリー14位でした。ありがとうございます!レティさんの季節は…過ぎてしまったのですがw