Artist's commentary
急須のある雪景色
●雪庭園 ; 幾重にも部屋に分かれた日本古風の、この広く大きな屋敷には西行妖の桜もまだ葉も蕾(つぼみ)もなく、未だに寒さは厳しく、そして穏やかに彩る夕刻の幻想卿。
「…幽々子さまどこにいらっしゃるのやら…。」
襖(ふすま)越しから聞こえてくるいつもの明るい声。コツンという音を立て、やがて静かに扉が開く。
「おっと、はっけん。」
彼女は魂魄妖夢、私の…、そうね。一番に信頼し、一番に大切に護りたく、支えられたい大切な妖夢。
「幽々子さま~? うわ、障子が全開に…。冷えますよー。」
「ふふ…。」
「もお、いったい何が可笑しいのですか?」
本当に面白く、可笑しく。。。
「何でもないわ。ここへ来て一緒に雪景色でも楽しみましょう。」
「…うぅ、畳が冷たい…。」
「あらそう?」
…もうすぐで春が来る。
(追記2/16:267位!)