Artist's commentary
らくがき喪144
前回のゆりちゃん回で花束は贈ったので、今回はお手軽焼き直し絵(´・ω・`)
今回ちょっと作中の作画というか、アレ?と思うところがいくつかあって、ミスなのかそういうものなのかどちらともとれるところがいくつかあり、この絵もそれ次第では反転しないといけなくなります(´・ω・`)
・・・でも作中では前の絵からGWはさんでも半月は経ってないですよね。
しかしリアルでは前の絵からもう4か月ぐらい経ってるわけですよ。
当時かなり苦労して書いた(わりに適当さが目立つ)絵だったのですが、今回10分の一以下の手間であっさりと前回よりいい絵になりました。まあらくがきにはかわりないのだけれど・・・(´・ω・`)
そしてなんだかんだ結構絵も描きましたね。当時は最初のゆりちゃんの絵がイメージとしてあって、描いてみようで書き始めたのですが、まあせいぜいゆりネモと名シーンをいくつか描いて飽きるだろうと思っていたのですが、気づけばもう60枚ぐらい描いてるわけですよ。
・・・60枚って自分で数えて驚きましたけど。さすがに多少はうまくなるってものですね。
まあ実際は特に上手くもなってないのだけれど、同じ程度の絵を描く速度は圧倒的に早くなりました。
おかげで積みゲーはまったく手を付けていません。ゲームが趣味だったはずがいつの間にか絵描きに・・・(´・ω・`)
・・・そういえばゆりちゃんについて書いたことってまだあまりないですね。
最初のころは長文は抑えてましたし、ゆりちゃんの絵は初期に固まってたし。
私もわたモテを読み始めたのは11巻あたりのまだまだニワカですが、最初にゆりちゃんの絵を描いたことからもわかる通り、この漫画のヒロイン(?)はゆりちゃんだと思ってます。
絵にしやすいというか、ユーモアとペーソスの一番はっきりしたキャラなんですよね。
今回の話でもその機微は十分に主役と言ってもいいものでした。
・・・しかし今やメインキャラ筆頭ともいえるゆりちゃんですが、実は「ゆりちゃんの物語」が始まったのはメインキャラの中で最も遅く、12巻に入ってからなんですね。
意外にも修学旅行4人のなかではおまけ的扱いだったまこっちよりも遅いです(まこっちはその後進展してませんが・・・)。
ここで補足しておきますと、「最初の」ゆりちゃんの物語は修学旅行で完結してます。
まこっちと喧嘩し、修学旅行でぼっちになりかけたところをもこっち、吉田さんと回ることで友達への気配りを考えるようになり、神社で見つけたお守りをまこっちにもらって仲直り、という話です。
非常に綺麗な物語で、これがゆりちゃんの最初の物語。絵柄もここでひと段落し、ゆりちゃんVer1は終わりを告げましたw 似顔絵講座でも書いたゆりちゃんの目の変遷その1ですねw
・・・こうしてゆりちゃんにとってもこっちは割と「恩人」と言ってもいい関係になり、その後もゆりちゃんはもこっちを昼食に誘ったり、チョコを作ったりと、恩人に対して積極的にアプローチします。吉田さんとまこっちとの間もとりもち、修学旅行の4人は「ゆりちゃんグループ」として仲良くなっていきます。この「恩返しモード」がゆりちゃんVer2、目もだんだん丸くなっていきますw
そして今の「ゆりちゃんの物語」が始まったのがいわゆる「焼き肉回」ですね。
私も「らくがき喪120」で星空のゆりちゃんを描きました。
あそこが「今のゆりちゃんの物語」のスタートです。伊達に意味なくあの絵を描いたわけではないのです(`・ω・´)
・・・修学旅行で「友達」というものを意識し始め、「自分のグループ」を作ったゆりちゃんが、グループの仲間にもそれぞれの世界があり、自分は孤独なのかもしれない、という「切なさ」を感じたシーンですね。
以降ゆりちゃんは仲間にこだわり、同時に仲間といても心細い感情を抱くようになり、そこに入って来ようとするネモに対して敵意といってもいい感情を向けるようになります。
「黒木さんにも黒木さんの世界がある」のだから、別にネモともこっちが仲良くすることを止めるわけではないのですが、「自分と同じタイプ」と思っていたもこっちまで外の世界に出ていける人だった、という思いと、「自分が作った世界」から人がいなくなってしまう、という恐れから、ネズミー編ではかなりダークな雰囲気をまとっていました。個人的に一番好きな時期ではありますがw
しかしそのネズミーの最後には、ネモにもネモの帰るべき世界があると知り、もこっちも自分の世界からいなくなるわけではなかった。そしてネモから「仲間になろう」と言われ、「世界はつながるんだ」と知るのです。
・・・とここまでで綺麗にまとまったと思われた話でしたが、加藤さんの出現によってちょっとまだ終わらないというか、偶然から生まれた自分の世界の安寧だけではなく、「他の世界に飛び込む」ことを意識し始めます。
つまり「友達」というレベルの「世界」からもう一歩踏み込む「親友の世界」です。
実はこれはおそらく加藤さんのテーマでもあると思われます。これも近くアップ予定の加藤さんの絵で書きます。
・・・今回の喪144でこの「ゆりちゃんの物語」もひとまずの結末というか、「とりあえず新しい世界へ一歩踏み出した」といえるかもしれませんね。
それに今回ネモがアシストしたのもいいですね。「ゆりちゃんの世界」に、もうすでにネモも加わっている、と思うとw
案ずるより産むが易し、ですねw
・・・というわけで、過去最長長文ですが、これが私の「ゆりちゃん物語」です。
考察としては結構適当ですし、こういうのは見る人がそれぞれ感じたように感じるものだと思うので、とある絵描きの妄想長文として読んでもらえれば幸いです。