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Artist's commentary
君の名は。
家の近くの映画館でまだ上映していたのですが、遂に終了してしまいました…。 この作品はほんとに僕の大好きな要素がいっぱい詰まった最高の作品です。 3回も映画館に足を運んで見た作品は風立ちぬ以来です。 君の名は。をきっかけに新海誠さんの他の作品も見たのですが、それぞれの作品で新海さんが得た経験が君の名は。で凝縮され昇華されていたんだなと感じました。 特に秒速5センチメートルとの類似点が多く映画全体の構造として対比関係にあるのではと考えました。 まず彗星が落ちてくるシーンとロケットが打ち上がるシーン。 二つの映画を最も印象付けるシーンから真逆のストーリー展開を示している、つまり最初に繋がっていた二人が引き裂かれる展開と、何の接点も持たない二人が繋がっていく展開が暗喩されているのではと思いました。 また電車というモチーフの扱いも対比されています。秒速では1方向に貴樹から明里へと向かうもので、ラストシーンでは大人になった二人がすれ違い、振り返るとき何十両も続く列車に阻まれ再会できません。しかし君の名は。では双方向に動き二人を引き合わせるモノとして強く働きかけます。ラストシーンでも電車に乗った二人が互いを見つけるための重要な役割を持っています。 こじつけレベルの考察ですが、新海さんは意識的に過去の自分の作品を踏襲しているはずです。 他にも細かいカット割や画面構成が類似している所が多くあるので見比べてみると面白いと思います。 電車とか都会の街並み(特に新宿)、そしてその対比としての田舎の風景が新海誠さんは本当に好きなんだなぁとどの作品を見ても思います。 最後に新海誠さんありがとうと伝えたい。こんなに素晴らしい作品を産み出してくれてありがとう。これからも応援しています!