Artist's commentary
考え事
2016年09月24日 00:10
人は皆、己自身が震えたつがごとき怪物を飼っている。怪物をむき出しにする種族は、地下の煉獄へと追いやった。地の底に人が作りし煉獄で彼は生まれた。誰よりも己の内なる怪物を彼は憎悪し、彼は愛した。彼は第二の母と、彼を地下に追いやった者達の住む世界へと登った。だが、その時既にして、地上の世界はそこに居続けた人々と同様、ゆっくりと死の時を待っていた。地上は冥府。人という種と、人という種の築いた世界の黄昏。彼は、そこで父と言う名の亡霊と出会った。彼と共に居た、彼の第二の母は、冥府に留まった。そして彼は再び、彼が生まれた地下の煉獄へと戻る。そここそが、彼の生きる世界。煉獄こそが、人なる種族が最後にいるべき世界。