Artist's commentary
大鯨さんが長門市で 【やや日刊桐沢84/遠征】
大鯨さんを眺めていると幸せな気分になれそうです。どことなく危なっかしい潜水艦たちも、この大鯨さんが一緒にいてくれると安心できそう。エプロン姿のせいか、なんだか保母さんっぽい気もします。
青海島には大学に入ったばかりのころ、家族みんなでキャンプに行ったことがあります。ふだん見ている瀬戸内海と違って日本海は島がほとんどなくて水平線がずっと続いていて、どこか違う国に来たような気分になりました。山口県は中国地方で唯一瀬戸内と日本海両方に接している県なのです。
その頃は大学で日本画を勉強しようと思っていたので、海の色をずっと眺めていて家族にちょっと心配されたりしました。
※大鯨さんが呟いているのは「鯨法會」という詩の一節です。詩人金子みすゞさんが生まれた長門市仙崎は青海島の対岸になります。