Artist's commentary
恋符 「 空飛ぶ古道具屋店主 」
※この文章には独自設定・解釈があります。 ■ 「また妙なモノ作ったわね、霖之助さん・・・何よそのゴテゴテしたものは?」「よく聞いてくれた!これは『立体機動装置』さ。外来のとある漫画からヒントを得て開発したものだよ」「香霖の店で見た事あるぜ、その漫画。じゃあガスを噴射するのか?」「残念ながらガスじゃないよ。これは水蒸気の力で飛ぶのさ、いわゆる一つの『蒸気機関』というやつだよ!蒸気の力で浮力を得て、ワイヤーを使って宙を移動するんだ。使用者はそのバランスを保つ事に専念する。無駄な労力を一切使わない、最適化された最小の動きだけで効率的な高速移動を可能にする画期的な道具なんだよ!」「要は自分がほとんど動かずに移動できる道具を作ったってわけか?」「呆れた。でも、物ぐさもここまで来れば立派なものね」「努力する方向は間違っているがな」「・・・言いたい放題だな、君たち・・・」 「でも霖之助さん、これなら弾幕勝負もできるんじゃないの?」「いや、連続して蒸気は噴射できないからね。結局、空は飛べないよ」「いやいけるぜ。魔法でワイヤーを引っかける力場を作ってやればいいんだろ?」「まぁ不可能ではないだろうが、どのみち男の僕では弾幕勝負はできないさ」「そうでもないぜ」「霖之助さん自身が、弾幕勝負しなきゃいいだけでしょ?」 「・・・・どういう意味だい?」「私たちの“弾幕として”戦えば大丈夫だ」「私たちのスペルカードとして戦えばいいのよ。例のガンコ親父さんと同じ発想ね」「勘弁してくれ・・・・そんなつもりで作ったわけじゃないぞ?」「だけど試してはみたいだろ? 一体どこまで動けるのかを」「・・・むぅ、それは確かに・・・」「なら決まりね。早速手頃な妖怪から試しましょう」「もうスペルカード名も決めたぜ」「・・・やれやれ、本当に勝手だね」 ■ ■ 立体機動装置を使う霖之助さんを描きたかった。ただ、それだけなのです。 でも霖之助さんなら本当に作れそうな気がします(笑) ■ ■ 「仕方ない、じゃあ怪我しないよう刃を替えるか。魔法で墨を刃状に固めて使おう」「そんなんで戦えるのかしら?」「ペイント弾みたいなものだよ」「それじゃあ敵は倒せないな」「だが恥はかかせられるよ。勝負の決着としては丁度いいだろう」「墨汁ぶっかけられる方が恨まれる気がするぜ・・・」