Artist's commentary
西のナチスドイツな廃墟の魔女
「あーら、はじめましてではありませんのよ 『共産主義という妖怪』さん!」
というわけで速水螺旋人先生の靴ずれ戦線より、在りし日の姿のディッケ・ベルタさんです……
主人公であるソ連の魔女ワーシェンカの好敵手ともいえる、ナチスドイツのファシスト魔女さんですが、これがカッコイイ&可愛い
流石にファシズムに染まっているだけあって誇り高い性格っぽい雰囲気が、余裕ぶりながら高笑いしたりするシーンから漂ってきます
登場するシーンや喧嘩吹っかけるシーンは格好良いんだけど、その後いつもズダボロにやられてしまうという、哀れというか憎めない魔女ですね(クマは刺激しないようにしよう……
というよりドイツ軍が末期になるにつれて一層ボロボロになるのが予想できるだけに……
パルチザンと関わりのあった村を焼き払ったりとか結構エグいことも満面の笑顔でやってのけますが、お風呂で見ず知らずだったナージャの背中を流してくれたり、敵同士だというのに「共産主義という妖怪」さんと毎度フレンドリーに話しかけてきたりと、根は良い人オーラが出てます。ファシストだけど
ドイツ軍では結構厚遇されてるのか、43年時はヒムラー直属の「グリム機関」(←こういうセンスが素晴らしい)高級中隊指揮官である親衛隊大尉でしたが、44年には少佐になってます。佐官様!
二級・一級鉄十字章もぶら下げててカッコイイ!
一方、ソ連のワーシェンカは43年で軍曹だから、同じ魔女でも待遇の差はかなりのものですね……
「靴ずれ戦線」は面白い&可愛い&独ソ戦&メルヒェンな素晴らしい漫画なので、知らない人も一度手に取って見ると良いかと思います
というかちょっとでもこの手の趣向がある人ならば、WW2しかも東部戦線を舞台に、東欧の妖怪や東西の魔女が出てくるってだけでも興味が沸きまくって居ても立ってもいられないはず
同著者の「大砲とスタンプ」も、軍事を兵站という切り口から描いた作品で面白いよ!
ワーシェンカもナージャも可愛いですし、また靴ずれ戦線な絵を描きたいなー