Artist's commentary
老いの話
玄「おや、蒼い巫女とは珍しいのう」早「わっ!亀が飛んでる!?」玄「ほっほ、お嬢さんには空飛ぶ亀が珍しいようじゃのう」早「さすが幻想郷、常識に囚われてはいけないのですね」玄「おっと、自己紹介が遅れましたな、わしは博麗の巫女様に仕える玄爺と申します」早苗「はじめまして、妖怪山の守矢神社で現人神をやっています東風谷早苗といいます」玄「ほお、現人神様でいらっしゃいましたか、これはとんだご無礼を・・・」早「いやいやそんな頭を下げなくてもいいですよ!」玄「ところで東風谷殿はどのような御用事で?」早「霊夢さんに差し入れを持って来たんです、でも今は留守なようですね」玄「おお、これはこれはわざわざすいません」早「いえ、こっちが勝手にやってることなんで、霊夢さん食事がお酒ばっかで栄養のバランス取れてないから心配で・・・おじいさんはいつもここにいらっしゃるのですか?」玄「わしはちょくちょく主人の顔を覗く程度ですのう」早「会わないのですか?」玄「そりゃ会いたいですわ、が会うと主人が機嫌を損ねてしまうのですじゃ」早「喧嘩?」玄「いいえ、理由はともかく気分を損ねにわざわざ会っても仕方がないこと」早「そんなこと・・・」玄「それに昔の主人はわしがいないとダメだったのじゃが今は多くのお友達がおります、昔のようにわしが食べ物を持ってくる必要もありません」早「あっ・・・」玄「ほっほ、隠さなくても良いですよ、仕える身は必要とされない限りむやみな手出しは無用・・・というのは建前で本当はこの老いぼれ亀が寂しいがってるのを主人に見せたくないのかも知れませんなぁ」早「きっと霊夢さんも会いたがってますよ」玄「嬉しいことを言ってくれますな、さてわしは先においとまさせてもらいます」早「えっ、じゃ、じゃ伝言だけでも、私が責任持って伝えますから!」玄「・・そうじゃのう、ではお言葉に甘えて、おそらくあの魔女見習いの子も一緒でしょうからその知人の意も込めて『あたしゃここにいるよ』とお伝えください」